福蔵院の豆まき(平成21年1月31日)


福蔵院(真言宗豊山派)の節分会は、先代住職の星野俊英僧正が、終戦直後の昭和20年代半ば、人々の気持ちが沈み荒んでいた時代に、再び鷺宮のまちに活気あふれるコミュニティーがうまれるようにと願って、まちの誰もが楽しく参加できる行事として始めたものです。
現在も、伝統的な文化行事として毎年開催されていますが、多くの人が参加できるようにとの配慮から、節分当日にこだわらず2月3日直前の土曜日に行われます。

今回、福蔵院住職 星野英紀(ほしのえいき)氏のご厚志により福蔵院の節分会についてご寄稿いただきましたので、是非ご覧ください。

福蔵院と節分会



さて、今年の節分会は1月31日(土)に開催されました。

前日から強い雨が降り続いていましたが、昼過ぎには上がり、例年通り多くの参詣者が集まりました。
境内には雨の中でも豆まきができるよう、本堂前に雨よけの大きなテントが用意されていました。

豆まきに先立ち、特設の桟敷を使って鷺宮囃子保存会の方々によるお囃子が演奏されます。
午前10時ごろから子ども囃子が、午後1時からは大人の方々によるお囃子の演奏と獅子舞などが披露されました。
午後2時からは、本堂内にて節分の法要が行われました。

裃(かみしも)をつけた檀家総代と、紫の法衣のご住職、黄色や緑の法衣の5人の僧侶が入場し、厳かに法要が始まりました。
僧侶らは、声高らかに美しい声明(しょうみょう)を唱え祈ります。

本堂内では、中央に護摩壇がすえられ、ご住職が着座して加持祈祷法要を行います。

そこでは密教の象徴でもある護摩(ごま)供が修せられました。
火には、護摩木と樒(しきみ)という香りの高い葉がくべられます。
法要の後、午後2時30分頃より本堂前に設けられた桟敷に赤鬼青鬼がやってきました。
勧められるまま酒盛りが始まりますが、やがて現れた裃姿の人々に豆をまかれて退散します。
法要に参加した方が本堂内に用意された枡をひとつずつ受け取り豆をまきます。
今年は、雨を防ぐ大きなテントの中でとり行われる豆まきとなり、テント内に入れる人が限られてしまうため、住職からの説明の後、全体を3グループにわけて入れ替えをしながら豆がまかれました。
豆まきの後、本堂内でも獅子舞・大黒舞・ばか面の舞が披露されました。
鷺宮の郷土芸能であるこの「鷺宮囃子」は、中野区の登録無形民俗文化財の指定を受けています。
昨年、区の補助を受けて大黒様の衣装などを新しくしたそうです。
大黒様が槌(つち)を振ると中から10円玉が飛び出します。

最後にお杯をいただき、豆などの入ったお土産とお札をいただいてお開きとなりました。

事故がないよう地元消防団も待機です。
境内の梅は春の香りをただよわせていました。
事前に申し込みの上、一般の方も本堂の法要に参加しご祈願札をいただくことができます。

申し込みや冥加料などの詳細は福蔵院まで直接お問い合わせください。(連絡先 03−3338−0183)
 
福蔵院についての詳細

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